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9 「炭鉄港」とは近代北海道を築く基となった三都(空知・小樽・室蘭)を石炭・鉄鋼・鉄道・港湾というテーマで結ぶ広域的な取り組みである。 「炭鉄港」の参加市町は、炭鉱を有する空知管内では、本町に加え、岩見沢市、三笠市、美唄市、芦別市、夕張市、赤平市、栗山町、沼田町の9市町。さらに、鉄道や港湾で栄えた小樽市、室蘭市、安平町が含まれる。 北海道だけでなく日本の近代化の原動力となったこの三都の歴史的なつながりは、密接に結ばれている。空知管内に点在する良質な石炭を採掘し、運搬するために、歌志内から日本海側は小樽、太平洋側は室蘭まで鉄道が敷かれた。鉄道は石炭の輸送以外にも収穫された農産物や入植する人々の輸送の役割も担った。 この一連の流れが、北海道だけでなく、日本の近代化を支えた。 町の名前の由来でもある月形潔は、未開の地であった月形周辺一帯が重罪人収容に適すると判断、また、石狩川沿岸は開発すれば水運の利用が可能、さらに農耕地に適することから、この地を監獄設置地区として選定を機に町発展の歴史が始まった。 樺戸集治監の開庁後、囚人たちは、開墾や道路の開削、採炭などの労働に従事した。中でも、三笠市に設置された空知集治監と樺戸集治監を結ぶため、現在も残っている樺戸道路が囚人によって作られたことは有名である。 囚人は基本的に自給自足をしており、厳しい環境の中、農耕にも従事し、今日の北海道農業の基盤を作ったとも言える。 囚人労働が北海道開拓、北の産業革命の基盤を築き上げ、今日の北海道の発展を語るうえで欠かすことはできない。 北海道は、開拓使が設置された1869年からわずか150年の間で、5万人弱であった人口が100倍近く増え、さらには、食糧自給率200%と発展を遂げた。 しかし、この空知地域においては、炭鉱事故、エネルギー革命の影響による炭鉱の閉山や、観光事業の失敗、さらには、著しい土地価格の下落、人口減少など暗い歴史を経験してきた。 今後は、広域的な連携を活かし、観光の魅力づくり、交流人口の創出などが期待される。 明るい未来を創っていくために、酸いも甘いも経験した歴史を改めて学び直し、教訓としなければならない。この「炭鉄港」の物語は歴史という名の「資源」でもあると言い換えることができる。◆炭鉄港とは?◆月形町が 果たした役割◆炭鉄港のこれから祝・日本遺産の認定「炭たん鉄てつ港こう」 「本邦国策を北海道に観みよ!〜北の産業革命『炭鉄港』〜」 5月20日、文化庁が2019年度日本遺産に「炭鉄港」を認定しました。日本遺産は地域の歴史的魅力やその特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定するものです。認定された「炭鉄港」は本町を含め12市町45の文化財により構成されています。問合せ先企画振興課企画係 ☎53・2325空知総合振興局地域政策課 ☎20・0034空知小樽室蘭★★★

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