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8 平成9年に設立し、今年で22年目を迎えた「花の里つきがたの水と緑を愛する会」は、サケの稚魚の放流会をはじめ、須部都川の流木撤去や石狩川頭首工の魚類調査見学会など、町だけではなく、国や道などとも協力して河川愛護活動をされている団体です。 会長の鳥潟真二さんにこれまでの活動と、これからの展望をお伺いしました。サケが戻ってくる川に 環境教育の一環として千歳市の「サケのふるさと千歳水族館」を訪れたことをきっかけに稚魚の放流会を始めました。 サケは、5年も6年もかけて自力で川へ戻ってきますが、放流事業をスタートした時から、須部都川は他の川に比べて環境が厳しく、本当に遡上するのだろうかという不安がありました。 放流した稚魚が遡上する確率は5%とも3%ともいわれていますが、その低い確率に達するだけでもサケが遡上しやすく、状態が良い川であるとの結果なのです。 放流して10年目が経過し、事業の成果が確認できないもどかしさから、会員の間に迷いが生じはじめました。放流の方法はこれで良かったのかといつも悩んでいました。実績や確証があって始めた事業ではありません。ただ、多くの皆さんの協力があって実施してきた事業です。安易に止めるという判断はできませんでした。 節目となる10回目の放流会を終え、次年度以降の「見直し」を含めた事業計画に取り掛かった矢先、須部都川でサケの遡上が確認されました。この時はさすがに「サケの神様」がいるのかと思いました。自然への感謝から行動 大げさな言い方になるかも知れませんが、自然に守られながら私たちの生活は成り立っていると思います。自然に守ってもらっている分、自分たちもお返ししなければなりません。環境を守る、自然を大切にする、緑や水を汚さないようにするということは、そういうことではないかと思います。 私たちは、日常の生活で自然への感謝の気持ちを忘れがちです。蛇口をひねれば簡単に水が出ます。ですが、本来はそんな簡単なことではありません。山に雨が降り、川に流れ、貯めた水を浄化して、飲める水になるのです。 自然界の生物、サケなどは、自分たちで環境を変えることができません。川を汚しているのは、ほとんどが私たちではないでしょうか。 例えば、月形町の町民が1年に1個でいいから空き缶を拾ったとしたら、月形町でも3000個ものごみが拾えることになります。これは地味に見えるかも知れませんがすごいことです。このような小さなことの積み重ねがとても重要だと思います。活動を続けることで成長 月形町の自然を大切にするためには、子どもたちだけではできないことがたくさんあります。私たち大人ができることは、子どもたちに学ぶチャンスを作ることだと思っています。 今後の活動としては、これまでの活動で学んだことを活かして、事業を継続していきたいと思います。続けることによって自分たちも成長していると思います。 何かを大切にするということは、その根底に人の気持ちがなくてはできません。それは、自然と人、人と人も同じです。お互いが認め合うことで関係が作られ、継続していけるのです。 今後も人の気持ちを大切にしながら、自然を守る活動を続けていけたらと思います。■インタビュー■花の里つきがたの水と緑を愛する会鳥潟 真二 会長自然にも人にも気持ちを持って接したい会員募集中! 一緒に活動していただける方を募集しています。詳しくは、事務局までお問い合わせください。【事務局】(株)鳥潟組内☎53-2735花の里つきがたの 水と緑を愛する会特集 サケが戻る日

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